暗号資産貸出業者のLednは、消費者向けビットコイン担保ローン市場が今後10年で約300倍の成長を遂げ、最大1兆ドル規模に達すると予測している。実際の利用を大きく上回る借入需要が存在していることが背景にある。
この見通しは、消費者インサイト会社Protocol Theoryが今年2月から3月にかけて米国とオーストラリアの暗号資産保有者1,244人を対象に実施した調査結果に基づいている。調査によると、回答者の88%が暗号資産を担保としたローンやクレジット製品の利用を検討している一方、実際に利用している割合は14%にとどまっており、Lednはこれを「検討と利用の間に6倍のギャップがある」と説明している。
Lednは現在のビットコイン担保型消費者向け貸付市場の規模を約30億ドルと推定している。対照的に、Galaxy Researchは広範な暗号資産貸付市場が2025年第3四半期に過去最高の736億ドルに達すると推計している。
しかし、この分野は2022年に発生した暗号資産クレジット崩壊の影響を引き続き受けている。Celsius Network、Voyager Digital、BlockFiなど主要な貸出業者は、暗号資産価格の急落や流動性枯渇により破産申請または再編を余儀なくされた。これらの破綻により数十億ドル規模の顧客資金が失われ、中央集権型暗号資産貸付モデルへの信頼が大きく揺らいだ。こうした事態を受けて世界の規制当局は監視の強化に乗り出している。Lednの報告書では、業界再興の最大の課題として信頼回復が挙げられている。
Lednの共同創業者Mauricio Di Bartolomeo氏は声明で「需要の問題は解決済みだ。貸し手が安心して行動できる信頼のインフラ整備が追いついていない」と述べている。
報告書は、暗号資産担保貸付市場は依然として世界のデジタル資産総額に比べて発展途上の段階にあると指摘している。調査で示されたデータによれば、5月2日時点の世界の暗号資産時価総額は約2.68兆ドルとなっている。
調査結果は、より広範な採用を妨げる障壁の主因が利用者の認知や理解不足ではなく、信頼面の懸念であることを示している。借入を避ける理由として挙げられたのは、暗号資産の価格変動リスク、清算リスク、そして暗号資産担保ローンに関わる規制の不透明感であった。
さらに回答者は、貸付先の選択にあたり金利や商品機能よりもプラットフォームの評判、ローン条件の透明性、資産管理の安全対策およびリスク管理体制をより重視していると回答した。
報告書は、暗号資産担保による借入を伝統金融の証券担保貸付や住宅担保借入に相当するものと位置づけており、長期的な資産を売却せずに流動性を確保する手段であると評価している。
