Binanceの欧州一部国の利用者は、11月29日に開始される月額手数料の適用前に暗号資産を引き出すよう促すメールを受け取っており、該当口座は年末に閉鎖される見通しである。
同取引所の広報担当者はCoinDeskに対し、欧州連合(EU)の暗号資産市場規制(MiCA)に基づく移行期間終了を受けて、「影響を受ける利用者に対し一部サービスを段階的に制限している」と述べた。
広報担当者は「影響を受ける口座は2026年12月31日付で閉鎖される」と説明し、この過程は慎重に管理されたものだと付け加えた。
利用者に送付されたメールにはこれらの期限が記されており、SNSでは複数の利用者がそのメールを共有している。内容によると、入金はブロックされているが、顧客は引き続き資金を引き出すことが可能という。
スペイン、イタリア、ポーランドを含むフランス国外の一部利用者も、同様の閉鎖通知を受け取っていると伝えられている。
Binanceの広報担当者は、入金は停止されているものの、顧客は暗号資産および法定通貨の残高を引き出せる状態であり、資産は安全かつアクセス可能で、「突然の凍結はない」と説明した。
6月にはまずフランス、スペイン、イタリア、ポーランドの利用者に連絡し、引き出しを促す措置を行った。これらの国はMiCA移行期間終了前に現地法人を運営していた国々である。
ポルトガルなどBinanceが現地法人を持たない国の利用者は同様の措置の対象にはなっていないが、EU全体の規制対象には該当するとポルトガル紙Expressoは報じている。
11月29日以降、Binanceは利用者の暗号資産残高に対し毎月0.025%または10 USDCのいずれか高い方の手数料を請求する。利用者に送られたメールによれば、最初の請求は11月29日から3日以内に、2回目は12月24日以降に予定されている。手数料が残高を上回る場合は、残高全額が引き落とされるという。
フランスの金融規制当局であるAutorité des marchés financiers(AMF)は、2022年5月に登録されていたBinance Franceの登録が7月2日に自動失効したと記載している。これは国内登録制度の終了時に、Gemini欧州部門を含むMiCAライセンス未取得の50社超が除外されたことに伴うものだ。
メールの真偽は確認されていないが、Binanceの利用規約には「休眠口座手数料を請求する場合があり、これは関連会社または第三者が保有するデジタル資産の維持費用に充てられ、毎月休眠口座から直接引き落とされることがある」と記載されている。
MiCAは暗号資産取引所に対し、EU加盟国での認可取得を義務付けている。
Binanceは6月にギリシャでのMiCAライセンス申請を取り下げたが、別のEU加盟国での承認申請を計画中であり、その国名はまだ明かされていない。
当時同社は「数カ月内のライセンス取得を確信している」とコメントしたが、現在も欧州証券市場監督局(ESMA)の認可済み暗号資産提供業者登録には掲載されていない。
閉鎖計画では、まずUSDC保有分から手数料が差し引かれ、必要に応じて他の暗号資産からも引き落とされる。12月31日以降も残高がある口座は休眠口座扱いとなり、資産が換金または移転される可能性がある。
広報担当者は「欧州へのコミットメントは変わらず、認可取得に向けた取り組みも順調に進んでいる」と述べた。
