Krakenの親会社であるPaywardは、AnthropicのAIセキュリティプロジェクト「Project Glasswing」に参加し、ソフトウェアの脆弱性を発見・修正するための人工知能モデル「Claude Mythos 5」へのアクセス権を獲得した。
Project GlasswingはAnthropicが展開する取り組みで、選定された企業に対して最新のAIモデルの制限付き利用を許可し、重要なソフトウェアやインフラに対するサイバー脅威のセキュリティ強化を支援している。すでにAmazon Web ServicesやApple、Google、Microsoftなどの大手テクノロジー企業やJPMorgan Chaseなど金融機関も参加している。
ワイオミング州に拠点を置くPaywardは、今後数週間以内にMythos 5を自社環境へ導入し、発見された脆弱性情報を既存のセキュリティプログラムに統合する計画を発表。また、サードパーティのオープンソースソフトウェアに見つかった脆弱性については、関連プロジェクトのメンテナへ共有する意向も示している。
この参加は、米国政府が重要インフラの運用・防御に携わる組織へMythos 5を提供したことを受けたものだとPaywardは説明。Anthropicは2026年4月にProject Glasswingを開始し、その後テクノロジーや金融分野の組織にも対象を拡大している。
一方、AIは暗号資産業界にとっても増加する脅威となっている。攻撃者が脆弱性の迅速な発見や攻撃自動化を可能にするツールとして利用し、フィッシングやソーシャルエンジニアリングをより巧妙に行うことで、頻繁に標的となるこの業界の危険性をさらに高めている。これに対し、防御側でも同様の技術を導入する競争が加速している。
Claude Mythos 5はAnthropicが開発した防御に特化した高度なサイバーセキュリティモデルで、大規模なコード解析や脆弱性の特定、修正支援を目的とする。アクセスは当初、重要インフラの運用・防御を担う組織に限定されており、Anthropicは安全なより広範な展開に向けた対策を進めている。
Paywardは暗号資産プラットフォームも他の金融インフラと同様にセキュリティ課題に直面していると指摘。取引所やカストディシステム、決済インフラは24時間稼働し、攻撃者にとって魅力的な標的だとしている。
同社の共同CEO Arjun Sethiは、「セキュリティは常に不公平な戦いだ。攻撃者は1つの脆弱性を見つければ十分だが、防御側は毎日すべての脆弱性を先に発見しなければならない。フロンティアAIは、その非対称性を初めて覆すものだ」と述べた。
Anthropicは安全対策を進めつつ、Mythosクラスのサイバーセキュリティ機能へのアクセス拡大を計画している。
