ビットコインが直近で200日移動平均線の約83,000ドルを突破できず、急激な下落懸念が再燃する中、調査会社のK33 Researchは今回の弱気相場が過去とは異なる特徴を持ち、下落リスクは限定的であると指摘した。
同社によると、デリバティブ市場のポジショニングは弱気相場での一時的な反発を示すものではなく、むしろ価格の底値を示す持続的な悲観的態度を表しているという。ビットコインは今年2月に60,000ドルまで下落したが、K33はこの水準が今回サイクルでの最も深い下落だったとの基本的見解を維持している。
83,000ドルの移動平均線突破失敗後に市場内で再び下落への警戒感が高まる中、同社は火曜日のレポートで、今回のサイクルは2014年、2018年、2022年に類似した反発後の急落があった局面とは明確に異なる動きを示していると述べた。過去の下落局面では、ビットコインは200日移動平均線に向けて急速に反発した後、レバレッジの過剰蓄積によって急落へ転じていたが、今回の相場はそのようなダイナミックな動きをみせていないと分析している。
K33のリサーチ責任者であるVetle Lundeは、「今回のゆるやかな価格推移は過去のようなレバレッジ構築を伴う動きとは異なり、むしろデリバティブのデータは類を見ないほどの悲観的センチメントを示している」と記している。
極めて慎重な市場参加者の姿勢
ビットコインの30日平均ファンディングレートは81日連続でマイナスを記録し、過去最長に迫る記録となっている。これは価格が2月の約60,000ドル付近から回復したにも関わらず、市場参加者が弱気姿勢を一貫して維持していることを示している。一方、CMEのビットコイン先物における年率換算のベーシスは最近2.5%を下回り、この水準は通常、極度の慎重局面にあることを示す指標であるとレポートは指摘している。
しかしながら、Lundeは警戒すべき兆候も存在すると述べている。ビットコインのデリバティブ市場のオープンインタレストは依然として高水準にあり、価格がさらに下落した場合に新たなボラティリティが発生するリスクを内包している。加えて、米国のビットコインETFでは価格が83,000ドル付近で軟化する中、わずか5日間で16億ドルもの資金流出が加速している。この水準は多くのETF保有者の平均取得価格に近い水準である。
K33は過去の長期的な下落後における価格回復期に投資家が損益分岐点付近でより積極的な売却を行う傾向があったことを指摘しており、その傾向が今回も見られていると分析している。
底値形成の展望
それでもなお、K33が独自に算出する指標は、トランプ政権の関税導入が影響したとされる2025年3月~4月の底打ち後に強い反発局面があった時期に類似した動きを示しており、過去の弱気相場の典型的な反発パターンとは異なる傾向が見られるとしている。
同社は引き続き、ビットコインの2月の60,000ドルへの下落が本サイクルにおける最大の急落であったとの見解を堅持している。Lundeは「2025年の穏やかな強気相場が、2026年に訪れるより緩やかな弱気相場の土台を築くだろう」と述べ、2月の60,000ドルを今回の弱気サイクルにおける最大の下落幅と位置づける同社の『基本シナリオ』を示した。
