米国証券取引委員会(SEC)が計画していたトークン化証券に関する「イノベーション免除」の適用延期と暗号資産の新規公開規則に関する会合の中止を受け、Bullish、Coinbase、Circleといったトークン化に注力する企業の株価が金曜日に軟調に推移した。
長期間期待されてきた規制イニシアチブのさらなる遅延が、伝統的な証券市場への暗号資産の拡大に対する投資家心理を冷やし、トークン化関連株に下落圧力を与えている。
Bullish(BLSH)の株価は早朝取引で約8%下落し、四半期決算後の上昇を帳消しにした。同社はCoinDeskを所有し、トークン化証券の発行・管理インフラ構築の一環としてトランスファーエージェントEquinitiを買収している。ブロックチェーンベースのレンダーであるFigure(FIGR)も決算後の上昇を巻き戻し、木曜日の高値から約9%下落した。
一方、独自のトークン化株式を提供することを目指し、アブダビをオフショア拠点とするCoinbase(COIN)は2%下落。ステーブルコイン発行企業のCircle(CRCL)も約4%値を下げている。CircleはUSDCに加え、約30億ドル相当の資産を保有するUSYCトークン化トレジャリープロダクトも運営している。
Securitize(SECZ)は、BlackRockのトークン化パートナーでありBUIDLトークン化トレジャリーファンドの発行者だが、木曜の決算予想未達を受け27%急落した後、取引開始時に5%程度下落したものの、その後は値を戻して安定している。
これらの動きは、CoinDeskが木曜遅くに伝えた、SECが期待されていた「イノベーション免除」のさらなる延期を予定しているとの報告に続くものだ。この免除措置は、企業におけるトークン化証券の取引提供を容易にすることが狙いだが、ホワイトハウスやウォール街からの法的根拠と市場影響への懸念が計画の障壁となっている。
さらに、SECは金曜日に予定していた、特定の暗号資産に関連する投資契約に対するカスタマイズされた提供体制の審議会合をキャンセルした。
この影響は株式市場だけにとどまらない。イノベーション免除はDeFi(分散型金融)プラットフォームの取引に対する規制緩和も期待されており、この遅延は上場トークン化企業に留まらず波及している。分散型取引所のネイティブトークンUniswap(UNI)は過去24時間で7%下落し、CoinDesk 20指数の中で金曜および今週の最弱銘柄となった。
比較すると、ナスダック100指数、S&P 500指数、ビットコイン(BTC)$62,759.31はいずれも取引時間中ほぼ横ばいで推移した。
「スピードバンプ」であってトークン化の終焉ではない
Clear Streetのマネージングディレクター兼シニアアナリスト、Owen Lau氏は今回の後退によって米国のトークン化のタイムラインが延びる可能性はあるものの、中長期的なトレンドを変えるものではないと指摘する。
「トークン化のテーマはスピードバンプに直面しているが、根底にある勢いは変わらない」とLau氏は述べた。
またLau氏は、CoinbaseとBullishはいずれもトークン化株式を提供する手法を模索しているほか、ナスダックやニューヨーク証券取引所などの従来型取引所も24時間取引向けインフラの開発を進めていると付け加えた。
より大きな課題は、規制当局がいかに迅速にこれらの計画を許可するかである。特にCLARITY ActやSECの法的権限を巡る疑義がある中で、今回の遅延はトークン化普及の曲線を更に長引かせる可能性があるとLau氏は説明した。
