トランプ氏が支援する暗号資産ベンチャー、World Liberty Financial(WLFI)のトークンが、過去24時間で約12%下落し、その価格が過去最安値を更新した。これは、同ベンチャーがDeFiプロトコルDolomite上における自社の大規模なレンディング・ポジションを擁護するスレッドをSNS上に投稿した直後のことであった。なお、Dolomiteの共同創業者はWLFIのアドバイザーを務めている。
この投稿は、CoinDeskによる、WLFIが自社のガバナンストークンを担保として預け入れ、これを担保にステーブルコインを借り入れたうえで、さらにUSD1レンディングプールから資金を引き出し、他の預入者が資金を引き出せない状況を作り出したという報道に対する反応であった。
CoinDeskからのコメント要請に対し、WLFIは当該取引について直接の説明や否定は行わず、その代わりに報道後に公開したSNS投稿を示し、ポジションは意図的かつ有益なものであると主張した。
Xのアカウントでは、「私たちはWLFI Marketsにおける最大級の供給者かつ借り手である」とし、「確かに、自社トークンWLFIを担保に供給しステーブルコインを借りているが、清算に瀕した状況ではなく、市場が大きく不利に動いた場合でも単に担保を追加するだけだ」と述べている。
この発言は、清算回避のためにWLFIがさらなる自社トークンの担保追加を行うことを示唆しており、CoinDesk報道が指摘した懸念を払拭するに至っていない。特に、WLFIのアドバイザーが関わるプロトコル上で、WLFI建てポジションを自社トークンで担保するという循環構造は、投資家の注視を要する問題とみられる。
WLFIは自身の位置付けを「アンカー・ボロワー(中核的借り手)」とし、この借入が伝統市場の低利回り環境下において他ユーザーに利回りを提供していると説明した。また、過去6カ月間に約4億3530万枚のWLFIトークンを平均価格0.1507ドルで市場から買い戻し、総額6558万ドル相当を支出したことを開示した。さらに、初期保有者向けにトークンをアンロックするためのガバナンス提案を来週投稿する予定であるとした。
しかしこれらの買い戻し価格と現在の取引価格には約48%の乖離があり、WLFIの財務部門は大幅な含み損を抱えている状況にある。こうした事情も相まって、WLFIトークンは2025年のローンチ以来の最安値を更新した。
さらに、約30億枚のWLFIトークンが中継ウォレットに保管されている。これは財務部門が4月2日および4月7日に移転したもので、現行価格で約2億3400万ドル相当に相当し、1週間前の2億6600万ドルから減少している。
これらのトークンが同様にDolomiteへ流入した場合、WLFIには多方面で不利に働くと考えられる。価格の下落に伴い1枚あたりの借入余力が低下し、既にほぼ枯渇状態のレンディングプールから更に多くのステーブルコインを借りるには追加担保が必要となるが、それは他の預入者の資金引き出しをより困難にすることになる。加えて、レンディングポジションを支える担保は1日で12%下落したトークンに一層依存する形となっている。
