市場データによると、建玉(OI)の増加や65,000ドル付近および70,000ドル超の大規模な清算クラスターが確認されており、現物需要が強まらなければ今回の上昇は脆弱な可能性が示唆されている。
米国によるイランへの攻撃開始を受けて週末に下落していたビットコイン(BTC)は、月曜日に急反発し一時70,000ドルに迫ったものの、その後は69,000ドル前後へ押し戻された。
強気派にとって今回の上昇は歓迎すべき動きではあるが、アナリストによれば、月曜の急騰は「ポジションのスクイーズ(踏み上げ)」の典型的な形跡を示しており、さらなる下落に賭けていたトレーダーが価格上昇を受けてポジション解消を余儀なくされた結果であるという。
Risk Dimensionsの最高投資責任者(CIO)マーク・コナーズ氏は、「これは明らかにショートのフラッシュ(踏み上げ)であり、イラン攻撃が資本構造全体のリバランスを引き起こし、さらに現物ビットコインETFの資金流出が反転しつつあることがビットコインにとって追い風となった」と述べた。つまり、マクロショックが市場全体のポジション調整につながり、一部の投資家がリスク資産へ戻る中、現物BTC ETFからの資金流出が鈍化・反転したことでビットコインが恩恵を受けたとの見解だ。
ショートの踏み上げは急激かつ高速のラリーを引き起こしやすい。値下がりを見込んで借り入れたトレーダーがポジションを閉じる際、現物の買い戻しが必要となりこれが上昇を加速させる。この動きは短期的にはファンダメンタルズ以上の価格押し上げ効果がある。
しかしコナーズ氏は慎重な見方を示し、「これは10万ドルへの回帰や重要なレジスタンス75,000ドルを突破する“行軍”のシグナルではない」と説明。今回のラリーは依然として大局の下落トレンドからの決定的な転換を示すものではなく、上方向には重要な抵抗帯が残っている。現物需要が持続しなければ反発は短命に終わりうる。
ポジショニング・データもこの慎重な姿勢を支持している。デリバティブ市場の緊張度を示すケースだ。
CoinGlassの清算ヒートマップでは、価格が65,250~64,650ドルに下落すると約2億1,800万ドル相当のポジションが清算されるクラスターが確認されている。これは月曜ラリーの始まりの“土台”でもある。
さらに、過去24時間で価格が3.8%上昇した一方、建玉(OI)は6%増加しており、今回の上昇が現物による新規買いというよりレバレッジに支えられている可能性を示唆している。そのため、心理的節目の70,000ドルのレジスタンスで利確するトレーダーが増加したとの見方もある。
一方で、70,000ドルを明確に上抜ければ、約9,000万ドル相当のショートポジション清算が発生し得る。これが2月の高値72,000ドルを試すための十分な燃料となる可能性がある。
