おはようございます、アジア。本日注目されている市場ニュースをご紹介します。
「アジア・モーニング・ブリーフィング」は、米国時間の主要ニュースの概要と市場動向・分析を日々お届けしています。米国市場の詳細情報はCoinDeskの「Crypto Daybook Americas」をご参照ください。
イーサリアムのオンチェーン活動が過去最高水準に達しましたが、ETH価格の動きが鈍いため、この増加は実際のユーザー需要を反映していない可能性が示唆されています。
先週、イーサリアムネットワークは1日あたり約290万件のトランザクションを処理し、過去最高記録を更新しました。一方で、平均トランザクション手数料は依然として低水準にとどまり、バリデーターの退場待機行列もゼロまで減少しました。これまでのサイクルであれば、これらは需要増加やブロックスペースの逼迫、ETH供給圧力の高まりを意味する典型的なシグナルでした。しかし今回は、価格動向がこれと異なるシグナルを示しています。月曜日時点のイーサ価格は約3,180ドルで、当日は約0.7%下落し、CoinDesk 20指数全体のモメンタムからも遅れをとっています。
オンチェーン調査を行うアンドレイ・セルゲンコフ氏は、この急増は大規模な「アドレス・ポイズニング」キャンペーンによるものと指摘します。これは詐欺師が少額のステーブルコインを用いた「ダスト」送金を大量に実行し、取引履歴に紛らわしいアドレスを大量に挿入する手法で、実際のユーザー需要を伴わずにトランザクション数を膨らませるものです。
アドレス・ポイズニング攻撃では、正規のウォレットアドレスと非常に似通った偽アドレスが生成され、1ドル未満であることが多い少額のステーブルコインが被害候補に送られます。
こうしたダスト取引により、偽のアドレスがユーザーの取引履歴に入り込みます。ウォレット画面では通常、アドレスは短縮されたプレフィックスとサフィックスのみが表示されるため、ユーザーが完全にアドレスを確認せずに履歴からコピーすると、誤って攻撃者の類似アドレスへ資金を送金してしまうリスクがあります。日常的に見慣れた操作が高額な誤送金へとつながりうるのです。
【ステーブルコインとの関係】
セルゲンコフ氏の分析によれば、最近のイーサリアム活動急増はステーブルコイン関連取引が密接に絡んでおり、新規アドレスの異常増加のうち約80%がこれに由来しています。
新規アクティブアドレスの初回ステーブルコイン取引を調査した結果、約67%が最初の受け取り額として1ドル未満にとどまっていました。これは自然なユーザー流入というより自動化されたダスティングのパターンに合致するものです。分析対象の578万アドレス中、約386万アドレスが初回ステーブルコイン取引にて「ポイズニング・ダスト」を受け取ったと分類されています。
活動源を特定するため、1ドル未満のUSDTおよびUSDC送金を追跡。少なくとも1万のユニークアドレスにダスト送金をした発信者を特定したところ、最大規模のものはスマートコントラクトであり、単一トランザクションによって数十万ものポイズニング用アドレスに少額のステーブルコインを供給していました。
これらアドレスはネットワーク全体に広がり、取引件数や新規アドレス数の増加を促進する一方、後になって実際の損失を招く可能性のあるコピー&ペーストミスを誘発する環境を作り出しています。
【手数料の低下】
12月初旬以降、Fusakaアップグレードにより取引手数料が大幅に下がったことで、数百万回の低額ダスト送金をばら撒くコストが十分に安となりました。これにより、これまで成功確率が低かった詐欺手法が経済的に成立しうる戦略へ転換しています。
この状況はイーサリアムの記録的なオンチェーン指標を強気に読み解くことを困難にしています。低い手数料とスムーズな処理は技術的強靭性の表れですが、同時にスパム行為の実行コストも引き下げています。取引の大部分が低価値のノイズであれば、トランザクション数の増加は需要指標としての信頼性を損なうことになります。
現時点で市場は、記録的な利用率が強固なファンダメンタルズの裏付けになるとは見ていません。実ユーザーと自動化攻撃の割合が解明されるまでは、単なる取引数の最高値は誤解を招くシグナルと位置づけられます。
【市場動向】
ビットコイン(BTC)は92,738ドル付近で推移、時間比でプラス0.4%、24時間比でプラス0.1%。週間ではプラス1.8%、1カ月ではプラス5.0%の動きです。
イーサリアム(ETH)は3,190ドル付近で取引され、時間比でプラス0.4%、24時間比ではマイナス0.7%。週間でプラス3.2%、1カ月でプラス7.2%の推移です。
金価格はアジア時間序盤に4,675ドル近辺で過去最高値を記録しており、2026年の予想平均価格は5,180ドル。
日経225は40年国債利回り上昇の影響を受け約0.7%下落。米欧関税問題および国内の政治的な不透明感により市場は慎重な動きを続けています。
